資格試験・検定の受験を求職活動実績にする場合の注意点

資格試験の受験は、失業保険(雇用保険)の受給に必要な求職活動実績になります。

しかし、求職活動実績を得るための方法としては、あまり良い方法ではないでしょう。なぜなら、資格試験勉強中の求職活動が免除されるというわけではないからです。

失業中に何らかの資格試験を受験したときに、その受験だけは1回分の求職活動実績として申告できます。残り1回分は、転職サイトのセミナーを受講する方法などで実績にできます。セミナー受講なら選考や面接にかかわらないので求職活動実績に利用しやすいでしょう。

この記事では、国家試験・検定の受験を求職活動実績にする場合の注意点について解説します。

求職活動実績の簡単な作り方【ハローワークも認める正しい方法】

受験が求職活動実績になる

再就職に資する(役立つ)資格試験の受験は求職活動実績として申告できます。ただし、試験勉強期間や試験申し込みは求職活動にあたりません。

認定期間(認定~認定前日)に受験があった場合は、その1回の受験を求職活動実績1回分として申告できます。

受験だけだと1回分なので、あと1回はどうすればいいんですか?

あと1回は何らかの求職活動で実績にしてください。

再就職に資する資格とは

失業の認定における求職活動実績となるもの

(5) 再就職に資する各種国家試験・検定等の資格試験を受験

『雇用保険受給資格者のしおり』(東京労働局)には、このように記載されています。

資格試験とは、国家試験や検定が該当します。資するとは「助けとなる。役に立つ。」ということです。すなわち、再就職に資する資格とは次のように理解できます。

  • 再就職の就職活動でアピール材料になる資格。
  • 再就職先の仕事で役に立つ資格。

再就職のための就職活動においてその資格が必要であり、資格保有欄に記入することでアピール材料になることが「資する」と言えます。

また、再就職したい業界・職種が決まっており、そこでの仕事で資格の知識や技術が役に立つことが明らかなことが「資する」と言えます。

注意したいのは民間資格です。民間資格には、省庁など公的機関の認可が要らない私的な資格が多くあります。多くは趣味性の高い分野ですが、その資格が「再就職に資する」とハローワーク側に説明できるかどうかが判断基準になります。

民間資格には悪徳業者がいます。趣味性の高い無意味な資格を勝手に乱造して講座を売って金儲けしています。こういう業者の資格は受験しても求職活動実績として認められないのでご注意ください。

各種国家試験・検定等とは

求職活動実績になる国家試験・検定とは、次のようなものです。

国家試験

司法試験・公認会計士・司法書士・税理士・医師・中小企業診断士・気象予報士・管理栄養士・行政書士・宅建士など

公的資格・検定

日商簿記検定・実用英語技能検定(英検)・介護支援専門員(ケアマネジャー)・伝統工芸士・登録販売者など

民間資格・検定

TOEIC・MOS・CCNA・インテリアコーディネーター・サービス介助士・医療秘書技能検定など

私は日商簿記検定3級を受験して求職活動実績1回分にしました。

受験勉強中の求職活動実績はどうしたんですか?

失業認定申告書の記入例

  • 求職活動の方法:記入なし
  • 活動日:国家試験または検定の受験日
  • 利用した機関の名称:記入なし
  • 求職活動の内容:国家試験または検定の名称

活動日には、試験を受験した日付を記入します。求職活動の内容には、試験の名称を記入します。

受験を実績として申告する際の注意点

失業認定では、資格試験を受験した事実を証明するものが必要です。試験の名称と受験日が記載されている書類(受験票など)を、失業認定申告書と一緒に提出します。

受験票は受験日に回収されることがあるので、事前にコピーを取っておくのが良いでしょう。

勉強期間の求職活動実績をどうするか

勉強中だからといって求職活動が免除されるわけではないことに注意しなければなりません。

資格試験の勉強中に失業認定がある場合は、失業認定までに2回以上の求職活動をおこなって実績として申告すれば失業手当が支給されます。

そもそも、学業に専念する場合は雇用保険受給資格は得られません。

失業保険(雇用保険)は、熱心に求職活動をしているにもかかわらず、失業の状態が続いている場合に支給される手当だからです。

忙しい勉強期間中に短時間で求職活動実績を得る方法があります。

  1. 転職サイトでセミナーを受講する←おすすめ
  2. ハローワークで職業相談を受ける

① 転職サイトでセミナーを受講する

転職サイトが実施するセミナーは、申込みから数日で受講できる手軽さがあります。セミナーを受講すると1回の受講を求職活動実績1回分になります。失業認定申告書3-(1)求職活動欄に記入して申告できます。

資格試験の受験勉強をして場合、求職活動すると選考に巻き込まれるのが困りどころです。

転職サイトでセミナーを受講する方法なら、選考や面接にならないので資格勉強期間と相性が良いでしょう。

② ハローワークで職業相談を受ける

ハローワークの職業相談は、ハローワークで申し込めばその日のうちに相談を受けられます。職業相談を1回受けると求職活動実績1回分になります。

ただ、職業相談はハローワークに行く時間をつくる必要があり、相談がはずむと仕事を紹介されることもあります。受験を控えている時期に仕事を紹介されても困るものです。仕事を紹介されないように職業相談をするさじ加減が必要です。

まとめ

  • 再就職に資する資格試験の受験は、失業保険(雇用保険)の受給に必要な求職活動実績になる。
  • 認定期間(認定~認定前日)に受験があった場合は、その1回の受験を求職活動実績1回分として申告できる。
  • 失業認定のときに、試験の名称と受験日が記載されている書類(受験票など)を、失業認定申告書と一緒に提出する必要がある。
  • 試験勉強期間に失業認定がある場合は、失業認定までに2回以上の求職活動をおこなって実績として申告すれば失業手当が支給される。
  • 勉強期間中に、短時間で求職活動実績を得る方法は2つ。転職サイトでセミナーを受講する。ハローワークで職業相談を受ける。