失業保険の求職活動実績のために職業相談を受けると、紹介状を出されることがあります。
紹介状を出された場合でも、面接辞退して構いません。面接辞退しても、職業相談を受けたことが実績であることに変わりありません。
紹介状を辞退するときは、ハローワークに電話するか、ハローワークの受付に返却するかたちで辞退を申し伝えます。
この記事では、ハローワークの職業相談で紹介状をもらった場合の面接辞退について解説します。
求職活動実績が目的なら、いちいちハローワークで紹介してもらわなくても大丈夫なんですけどね。
え、そうなんですか?
さらに後半では、そもそも職業相談や紹介状を利用することなく、転職サイトの求人に応募する方法、セミナーを受講する方法でも求職活動実績なることについて説明します。
目次
紹介状・面接辞退でも実績
ハローワークで職業相談を受けて紹介状を出された場合、その紹介に応募・面接しなくても実績に変わりありません。
- 職業相談を受けた時点で実績だから。
- 職業選択の自由があるから。
職業相談はそれ自体が求職活動なので実績になります。
職業相談を受けると雇用保険受給資格者証に押印してもらえます。その押印が求職活動実績を証明するので、必ず認定してもらえます。
また、紹介状をもらったからといって、必ず応募・面接しないといけないわけではありません。紹介状の企業に対して求職活動するかどうかは、当然、本人の職業選択の自由です。
職業選択の自由とは
日本国憲法第22条第1項:何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
面接すれば実績という誤解
面接すれば実績ってことじゃないんですか?
それは誤解です。面接しなくても、職業相談を受けた時点で実績になっています。
なぜ、失業保険を受給する多くのひとが、「ハローワークで紹介状をもらって面接すれば実績」だと思い込むのか。
『雇用保険受給資格者のしおり』には、次のように記載されています。
失業の認定における求職活動実績となるもの
(1) 求人への応募(応募書類の送付・面接)
(2) ハローワークが実施するもの:求職申込み、職業相談、職業紹介等
…
誤解の多くは、(1)の求人への応募・面接を、職業相談の紹介と混同していることにあります。この応募とは紹介状の応募・面接ではなく、自分で転職サイトで求人に応募する場合のことです。
職業相談や職業紹介は(2)のハローワークが実施するもの(求職活動)に当てはまります。「ハローワークで職業相談や職業紹介を受けるとそれが求職活動実績になる。」と、ご丁寧にも書かれているのです。
そして失業認定申告書でも、職業相談・職業紹介(紹介状)を求職活動実績として記入できる書式になっています。
失業認定申告書 記入例
- 活動の方法:(ア)
- 活動日:職業相談した日付
- 利用した機関の名称:職業相談をしたハローワーク・施設名称
- 活動の内容:「職業相談」
職業相談を受けたことを実績として申告する場合は、「職業相談」と記入すればよいです(画像上)。職業相談では求職に関すること全般を相談できます。必ずしも紹介状を出してもらう必要はないのです。
また、職業相談で出された紹介状に応募した場合や、面接の予定を入れられた場合でも面接辞退して構いません(画像下)。面接辞退したとしても職業相談を受けたことは実績となります。
求職活動実績を目的に職業相談を受けるときは、紹介状を出されないようにするのがコツです。
ハローワークの紹介状とは
- 紹介状があるからといって、面接や選考が有利になるわけではない。
- 紹介状は、企業が国に助成金を申請ときの必要書類。
ハローワークの紹介状は、求職者にメリットがあるわけではありません。ハローワークの紹介状があるからといって面接に受かりやすくなるわけではありません。
では、何のために紹介状があるんですか?
紹介状は、企業が助成金を申請するためあります。紹介状を持ってきた求職者を採用すると、企業は国から助成金をもらえるのです。だからハローワークの求人票には「紹介状を必ず持ってきてください。」と書かれています。
紹介状は応募辞退して良い
職業相談を受けると、話の流れで仕事の紹介に話がすすむことがあります。
このとき、紹介状を出されそうになっても断って構いません。「よく考えて検討したいので、いまは紹介状はけっこうです。」と言えば、紹介状を出されずに済みます。
しかし、断り切れずに紹介状を出されてしまった場合でも、応募辞退するときは、応募先の企業とハローワークに連絡すれば辞退できます。ハローワークには電話するか紹介状を返却します。
紹介状を返却するときはなんて言えばいいんですか?
「検討したけど希望する条件ではありませんでした。」と言っておけばよいです。
紹介状より楽な求職活動
職業相談を受けて求職活動実績にすると、熱心な相談員から紹介状を出されそうになったりして面倒です。
そもそも職業相談を受けなければ、紹介状を出される心配はありません。そこで活用したいのが転職サイトで求職活動する方法です。
- 転職サイトで求人に応募する方法:1社への応募が1回分の実績。失業認定まで時間がないときでも、2社に応募すれば2回分の求職活動実績。
- 転職サイトでセミナーを受講する方法:1回のセミナー受講が1回分の実績。申込みから数日で受講して求職活動実績。応募や選考がないので気楽。
実績目的だから応募辞退したい
転職サイトで求人に応募する場合でも、応募のあとに辞退(キャンセル)しても構いません。辞退する場合は、転職サイトに届いた選考通過のメールに対して返信します。ハローワークの辞退より楽です。
転職サイトの求人に応募して求職活動実績にする方法は、こちらの記事で解説しています。
実績目的だから面接落ちたい
ハローワークから紹介してもらって面接までしたけど、求職活動実績が目的だし面接落ちたい。という気分になることがあるかもしれません。
わざと落ちるくらいなら、そもそも紹介や面接になることがない方法で求職活動実績をつくるのが良いでしょう。転職サイトでセミナーを受講する方法なら、面接とは無縁です。
転職サイトでセミナーを受講して求職活動実績にする方法は、こちらの記事で解説しています。
まとめ
- ハローワークで職業相談を受けて紹介状を出された場合、その紹介に応募・面接しなくても実績。
- 職業相談を受けると雇用保険受給資格者証に押印してもらる。その押印が求職活動実績を証明するので、必ず認定してもらえる。
- 紹介状の企業に対して求職活動するかどうかは、本人の職業選択の自由。面接辞退するのも自由。
- 求職活動実績を目的に職業相談を受けるときは、紹介状を出されないようにするのがコツ。
- 紹介状を出されてしまった場合でも、ハローワークに電話するか紹介状を返却すれば辞退できる。
- そもそも職業相談を受けなければ、紹介状を出される心配はない。転職サイトで求人に応募する方法や、そもそも紹介や面接になることがない転職サイトでセミナーを受講する方法なら紹介状とは無縁。